Bluetoothスピーカーの冒険

スマート音響の新時代

SONY LSPX-S3はライバル製品に勝るか? 音質とデザインの比較レビュー

目次

比較概要

ソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S3」は、有機ガラス管を振動させて音を出す独自の技術を持つBluetoothスピーカーです。インテリアにも馴染むデザインとLEDライト機能も魅力的です。今回は、この「LSPX-S3」と、前モデルの「LSPX-S2」、そして同じく有機ガラス管を使った競合製品の「LG XBOOM Go PL7」の3機種を比較してみました。

結論から言うと、「LSPX-S3」は「LSPX-S2」よりも音質が向上しており、高域から低域までバランスの良いサウンドが楽しめます。また、ハンズフリー通話やパーティーコネクト機能などの新たな機能も追加されています。一方で、Wi-Fiハイレゾ再生には対応しておらず、有線接続もできません。音楽連動機能も「LG XBOOM Go PL7」に比べると地味な印象です。

つまり、「LSPX-S3」はBluetoothスピーカーとしての基本性能は高いものの、ネットワークや高音質再生に関する機能は簡素化されていると言えます。その分、価格は「LSPX-S2」よりも安くなっており、約3.9万円前後で購入できます。「LG XBOOM Go PL7」は約1.5万円前後とさらに安いですが、音質やデザインでは「LSPX-S3」に劣ります。

この記事では、音質とデザインの観点から、「LSPX-S3」と「LSPX-S2」「LG XBOOM Go PL7」の違いを詳しく比較してみます。グラスサウンドスピーカーに興味のある方はぜひ参考にしてください。

比較表

比較項目 SONY LSPX-S3 SONY LSPX-S2 LG XBOOM Go PL7
イメージ
有機ガラス管型ツイーター ×
ウーハー口径 約46mm 約35mm 約50mm×2
パッシブラジエータ ○×2
DSEE(音質補正機能) DSEE HX(上位版)○ ×
Bluetoothコーデック対応形式 SBC/AAC/LDAC SBC/AAC/aptX/LDAC SBC/AAC/aptX HD/LDAC/Meridian Technology(高音質技術)○
LEDライト 32段階調光、キャンドルライトモード(強・中・弱)、音楽連動機能 32段階調光、キャンドルライトモード(強・弱) マルチカラーライティング、サウンドブーストモード、音楽連動機能
バッテリー駆動時間 約8時間 約8時間 約24時間
防水性能 なし なし IPX5相当
ハンズフリー通話機能 ×
ステレオペア機能 ○(Bluetooth接続のみ) ○(Bluetooth/Wi-Fi接続) ○(Bluetooth接続のみ)
パーティーコネクト機能 ○(最大100台まで) ○(最大10台まで) ○(最大100台まで)

比較詳細

SONY LSPX-S3とLSPX-S2、LG XBOOM Go PL7は、それぞれ異なる特徴を持つBluetoothスピーカーです。ここでは、それぞれの製品の音質やデザイン、機能などについて詳しく比較してみましょう。

音質

音質に関しては、SONY LSPX-S3が最も優れています。LSPX-S3は、有機ガラス管を振動させて360度に音を出す独自の技術「アドバンスドバーティカルドライブテクノロジー」を採用しており、自然でクリアな音を実現しています。また、ウーファーの口径を大きくし、加振器の土台の材質や形状を見直すことで、中低域の音質も向上させています。ボーカルの厚みや明瞭度が高く、楽器の響きや息遣いもリアルに再現できます。

LSPX-S2も同じ技術を採用していますが、有機ガラス管が20mm短く、ウーファーの口径も小さいため、LSPX-S3ほどの高音質は得られません。しかし、Wi-Fi接続やハイレゾ再生に対応しており、LDACやaptXなどの高音質コーデックもサポートしています。そのため、LSPX-S3よりも高品位な音源を入力することができます。

LG XBOOM Go PL7は、有機ガラス管ではなく通常のスピーカーを採用していますが、サウンドブーストモードやベースブースターなどの機能で音質を調整することができます。また、メリディアン社と共同開発したDSP技術により、広い音場感やクリアなサウンドを提供します。低域も豊かで力強く、パーティーや屋外での使用に向いています。

デザイン

デザインに関しては、SONY LSPX-S3とLSPX-S2が高品位でシンプルな印象です。有機ガラス管が光るランタンのようなデザインはインテリア性が高く、部屋の雰囲気を演出します。LEDライトは32段階の明るさ調節やキャンドルライトモードなどがあります。LSPX-S3はLSPX-S2よりも有機ガラス管が長くなりましたが、サイズや重量はほとんど変わりません。カラーはミネラルシルバーです。

LG XBOOM Go PL7は、丸みを帯びた筒型のデザインです。スピーカー部分にマルチカラーライティングがあり、音楽に合わせて光ります。カラーはブラックとホワイトがあります。サイズや重量はLSPX-S3やLSPX-S2よりも大きく重いですが、持ち運びに便利なハンドルが付いています。

機能

機能に関しては、LG XBOOM Go PL7が最も豊富です。PL7は、Bluetooth 5.0に対応し、最大100台までのスピーカーを接続できるパーティーモードや、2台のスピーカーでステレオ再生ができるデュアルモードなどの機能を備えています。また、防水性能もIPX5と高く、水しぶきや雨にも耐えられます。さらに、音声アシスタントのGoogleアシスタントやSiriにも対応しており、ボタン一つで呼び出すことができます。

SONY LSPX-S3とLSPX-S2も、Bluetooth 4.2に対応し、パーティーモードやステレオモードなどの機能を備えています。しかし、防水性能はありませんし、音声アシスタントにも対応していません。LSPX-S3は、ハンズフリー通話に対応していますが、LSPX-S2は対応していません。LSPX-S2は、Wi-Fi接続やハイレゾ再生に対応していますが、LSPX-S3は対応していません。

バッテリー

バッテリーに関しては、LG XBOOM Go PL7が最も優れています。PL7は、最大24時間の連続再生が可能です。また、USB-Cポートを備えており、急速充電や他のデバイスへの給電もできます。さらに、本体にバッテリー残量を表示するLEDインジケーターがあります。

SONY LSPX-S3とLSPX-S2は、最大8時間の連続再生が可能です。充電端子はUSB-Cですが、他のデバイスへの給電はできません。また、本体にバッテリー残量を表示するLEDインジケーターはありません。

価格

価格に関しては、LG XBOOM Go PL7が最も安くなっています。PL7はオープン価格ですが、税込みの実売価格は約1万円前後です。カラーはブラックとホワイトがあります。

SONY LSPX-S3とLSPX-S2はオープン価格ですが、税込みの実売価格は約4万円前後です。カラーはミネラルシルバーです。

メリットとデメリット

それぞれのスピーカーのメリットとデメリットをまとめてみました。

SONY LSPX-S3

  • メリット
    • 有機ガラス管ツイーターとウーファーのサイズを大きくして音質を向上させた
    • 亜鉛合金を採用してクセや歪みの少ない音質を実現した
    • LEDライトの明るさやモードをタッチセンサーで操作できるようにした
    • ハンズフリー通話に対応した
    • パーティーコネクトやステレオペアに対応した
    • LSPX-S2よりも安価になった
  • デメリット
    • Wi-Fiハイレゾ再生に非対応になった
    • 有線入力端子がなくなった
    • DSEEがDSEE HXからグレードダウンした
    • 防水性能がない
    • バッテリー持続時間が短い

SONY LSPX-S2

  • メリット
    • Wi-Fiハイレゾ再生に対応している
    • 有線入力端子がある
    • DSEE HXを搭載している
    • Spotify Connectに対応している
    • パーティーコネクトやステレオペアに対応している
  • デメリット
    • LSPX-S3よりも音質が劣る
    • LSPX-S3よりも高価である
    • LEDライトの明るさやモードをタッチセンサーで操作できない
    • ハンズフリー通話に非対応である
    • 防水性能がない
    • バッテリー持続時間が短い

LG XBOOM Go PL7

  • メリット
    • Bluetooth 5.0や音声アシスタントに対応している
    • 防水性能がIPX5と高い
    • バッテリー持続時間が24時間と長い
    • USB-Cポートで急速充電や他のデバイスへの給電ができる
    • LSPX-S3やLSPX-S2よりも安価である
  • デメリット
    • LSPX-S3やLSPX-S2ほど高音質ではない
    • LSPX-S3やLSPX-S2ほどインテリア性が高くない
    • LSPX-S3やLSPX-S2ほどLEDライトの調整が細かくない
    • LSPX-S3やLSPX-S2ほどコンパクトではない

まとめ

今回は、SONY LSPX-S3、LSPX-S2、LG XBOOM Go PL7の3つのBluetoothスピーカーを比較してみました。

これらのスピーカーは、それぞれに特徴がありますが、一言で言えば、

  • SONY LSPX-S3は、高音質とインテリア性を兼ね備えたグラスサウンドスピーカー
  • SONY LSPX-S2は、Wi-Fiハイレゾに対応したグラスサウンドスピーカー
  • LG XBOOM Go PL7は、防水性能やバッテリー持続時間に優れたアウトドア向けスピーカー

ということになります。

では、どのスピーカーがおすすめなのでしょうか?

私のベストチョイスは、 SONY LSPX-S3 です。

理由は以下の通りです。

  • LSPX-S3は、LSPX-S2よりも音質が向上しており、有機ガラス管ツイーターとウーファーのサイズを大きくして自然でクリアな音を実現しています。また、亜鉛合金を採用してクセや歪みの少ない音質を実現しています。
  • LSPX-S3は、LSPX-S2よりも安価になっており、税込み約3.9万円前後で購入できます。LSPX-S2は税込み約4.9万円前後ですので、約1万円もお得になっています。
  • LSPX-S3は、LEDライトの明るさやモードをタッチセンサーで操作できるようになっており、インテリアとしても楽しめます。また、ハンズフリー通話に対応しており、スマートフォンと連携して便利に使えます。

LSPX-S3は、Wi-Fiハイレゾ再生に非対応になっていますが、それらの機能は必ずしも必要ではないと思います。Bluetooth接続でもLDACコーデックをサポートしており、高音質な音源を再生できます。また、有線入力端子がなくなっていますが、Bluetooth接続が主流になっている現在ではあまり問題ではないと思います。

LG XBOOM Go PL7も魅力的なスピーカーですが、LSPX-S3やLSPX-S2ほど高音質ではありません。また、インテリア性やLEDライトの調整も劣っています。防水性能やバッテリー持続時間は優れていますが、屋外で使うことが多い人以外には必要以上かもしれません。

したがって、私は高音質とインテリア性を重視する人にはSONY LSPX-S3をおすすめします。LSPX-S3はグラスサウンドスピーカーの魅力を最大限に引き出した製品だと思います。

引用

今回比較した機種のメーカーサイトは以下の通りです。